カナカナ     29歳(♀)と13歳(♂)、2人のあやうい夏が始まる…

(1994年/16o/105分)

[スタッフ]
製作・脚本・監督・編集:大嶋 拓
撮影監督:宮野宏樹 録音:高瀬 勉
音楽:JON BRAY
製作・配給:TAC 協力:武藤起一事務所

[キャスト]
塚本徳子:県多乃梨子
福原隆人:松崎健二
外村厚:瀬戸口郁
塚本直子:成富美穂子
塚本和枝:岩崎智江
塚本啓介:川久保潔

■94年モントリオール世界映画祭正式招待作品
■95年ベルリン国際映画祭正式招待作品
■95年ウイーン国際映画祭正式招待作品
■95年シドニー国際映画祭正式招待作品
■95年10月〜東京、大阪、名古屋ほかにて公開
■'95 年鑑代表シナリオ集(年間ベスト10)に脚本収載
■96年日本映画製作者協会フェスティバル新人部門ベスト3

塚本徳子は29歳。煮え切らない恋人との同棲生活にピリオドを打ち実家に戻ったものの、婚期を気にする母とはいさかいが絶えない。そんなある日、徳子は母親が蒸発してひとりぼっちで暮らす中学生・隆人と出会い、次第に彼の面倒を見るようになる。いつしか不思議な絆で結ばれた2人は、狭いアパートの一室で暮らし始め、母と息子のように、ある瞬間には恋人同士のように寄り添っていく。カナカナ(ひぐらし)も鳴くことを忘れたまぼろしの夏、そんな短い夏の最後のページに、徳子が見つけた答えとは…?

   

特別映像



作り手のコメント

今観直してみるとつたないところばかりで、作品としては全然満足できていないのですが、「デビュー作にはその作家のすべてがある」などというのは映画に限らず小説でも芝居でもよく言われるところで、やはり自分のエッセンスみたいなものはしっかり入っているように思います。言い方を変えれば、デビュー作にすべてが詰まっている以上、それ以降の作品はある意味同じテーマなりシチュエーションの繰り返しになるんじゃないでしょうか? そう考えるのは結構怖いことですが、否定できない部分もあります。

自分の作品は、何故か男が女の人に面倒を見てもらう話が多く、この「カナカナ」以降も、「火星のわが家」は父親が娘2人に介護される話でしたし、「チョコチップ漂流記」や「39-19」では、いい年の中年男が10代の少女の世話になったりしています。これは、ひとりっ子で甘やかされて育った私の、「永遠にケアされたい願望」なんでしょうか? 自分では、結構オトナのつもりなのですが…。

□公開時の雑誌インタビュー(旧サイト)

 ビデオ発売:1996年9月22日 アップリンク
 DVD発売:2001年1月26日 エースデュース