龍の星霜 異端の劇作家 青江舜二郎

(2011年4月30日発行/春風社)

著者:大嶋 拓

目次:
プロローグ 春に逝く
第一章 揺籃
第二章 青春
第一章 戦場
第一章 明暗
第一章 晩年
エピローグ ふるさと

戯曲一覧
著作一覧
略年譜
あとがき

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激動の20世紀を龍のごとく駆け抜けた、異端の劇作家・青江舜二郎。
少年期の父の急死、恩師・小山内薫との出会いと別れ、家業の倒産、何度も死線をくぐった日中戦争従軍。
戦後は草創期のテレビドラマ制作現場を支え、「法隆寺」で岸田國生演劇賞受賞。
しかし劇壇の実力者・久保田万太郎を著作権侵害で訴えたため演劇界で孤立。
晩年は多くの評伝を世に送り出し、その生を全(まっと)うする…。
運命に翻弄されながらも力強く生きたひとりの劇作家の生涯を、長男である映画作家がドラマチックに綴る。
「秋田魁新報」連載の評伝、待望の単行本化!

推薦コメント

劇作家、脚本家、評伝作家、そしてインド仏教研究者。
多面的な青江の表現は、「万法一如という東洋的態度」に基礎付けられていた。
人間を鋭く描写しつつ、アジア的理想を求め続けた苦節の生涯が明かされる。

中島岳志(北海道大学准教授)

作り手のコメント

青江舜二郎のことに関しては、2005年に行った生誕百年記念事業(CD/DVDの製作と日本大学藝術学部でのイベント)で、自分にやれることは全部やりきったという思いが強かったのですが、2008年に青江の資料を秋田県に寄託することが決まり、それにともなって地元紙の「秋田魁新報」に評伝を連載することになってしまいました。準備に半年、連載が週1回で1年、単行本化のための加筆修正に1年…という感じで、図らずも生誕百年以上に時間と手間を費やすことになりましたが、作家の家族というのは、どこまでもそういうしがらみから逃れられない宿命なのかも知れません。執筆中のエピソードやサイドストーリーなどは、連載と並行して下記のブログにいろいろ書きましたので、そちらをお読みいただければ幸いです。

□青江舜二郎 電子資料室ブログ