2000年のひとり寝

(2000年/DV/50分)

[スタッフ]
監督・脚本・撮影・編集:大嶋 拓
照明・録音・助監督:露木栄司
EED:三本木久城

[キャスト]
フジコ:藤原ヨシコ(藤原よしこ)
ケイイチ:阿部龍一
トモユキ:里見裕之
スミコ:山口笑美子

大学生のフジコは、前の彼氏と別れてからちょっと男性不信ぎみ。不特定の男友だちと、セックスもありの気楽な関係を続けてきたが、同じバイト先のケイイチに告白されて生活を一新。可愛い彼女に変身して♪♪な毎日の始まりかと思いきや、世の中は2000年問題で大揺れ。核ミサイルの誤作動を本気で心配するケイイチの発案で、2人は保存食糧を買い込みミレニアムの予行練習に励む。ところがその最中、フジコのヤリ友のひとり・トモユキが部屋に乱入して…。パーソナルシリーズ第2作。

   

推薦コメント

2000年というリアルな時間を使ったドキュメンタリー的な構成がとても新鮮だ。
藤原ヨシコの甘ったるく粘っこい声が耳に残る。

三枝健起(映画監督)

作り手のコメント

今は懐かしき2000年問題ネタ。故・小渕元首相が国民に生活備品の買い置きを呼びかけていた、なんていうのも遠い昔のようです。初めは千年紀(ミレニアム)の変わり目をひとりで過ごす女の子のドキュメンタリーを考えていて、主役の藤原さんは、もともとはそのドキュメンタリーの出演者でした。でも、収拾がつかなくなってその企画はあえなく流れ、2000年問題をテーマにしたドラマ作品として再スタートします。「ノストラダムスの予言どおり世界は壊滅、その渦中で部屋に閉じ込められたひとりの男と2人の女のぐちゃぐちゃの人間模様を描く、まさに世紀末的なお話」だったんですが、ネガティブすぎて周囲の賛同が得られず、これまた製作中断。1999年の暮れも迫っており、もうこれしかないだろうってことで、藤原さんから以前いろいろ聞いていたプライベートなネタを元に、ちょっとおマヌケなカップルものを作ってみました。しかしこう書くと、私の作品て、最初の企画どおりに完成したのってないですよね。根性がないのか?

ドラマの中の日時はほぼリアルタイムで、実際に99年の大みそかまで泊まりこみで撮影しました。さすがに年越しはみんな家に帰りましたが、何か不測の事態が起きたら召集をかけるかも知れないと、キャストの2人には通達をしていました。ラストを決めずに90%撮って、もし何かの異変が起こったら、それをストーリーに入れ込んで残りの10%を撮ろうと思っていたのですが、ご存知のとおり特に何も起きなかったので、それに応じた終わり方になったわけです(詳しくはビデオの巻末にメイキングが入ってます)。

この作品から念願のノンリニア編集を導入、あら編済みの素材を三本木久城さんのハウススタジオに持ち込んで仕上げるという方式を採るようになりました。

 ビデオ発売:2000年11月24日 エースデュース