チョコチップ漂流記

(2001年/DV/95分)

[スタッフ]
監督・脚本・撮影・編集:大嶋 拓
プロデューサー:小林洋一 多井久晃
音楽:寺嶋由起 天久高広
EED:三本木久城

[キャスト]
サトミ:杉浦育美
ユウタ:泰 勇気
キヨシ:桂 毅
マスダ:桝谷 裕
レイコ:宮下今日子

叔母の家を飛び出し、夜の都会をさまよう19歳のサトミは、街で出会ったレイコに誘われるまま「カルム」というバーで働き出す。そこは、深刻な不眠症に陥った男性客を安らかな眠りに誘うため、女性を生きた「抱き枕」として派遣する秘密クラブであった。サトミはそこで、疲れた中年客たちの人気者になっていく。その一方、一人暮らしの部屋を探していたサトミは、不動産屋に勤めるユウタと知り合い、やがてユウタのアパートで同居生活を始める。だが、純粋に眠ることだけを欲する客たちと、執拗にセックスを求めてくるユウタとの間で、サトミの心は少しずつ均衡を失っていく。パーソナルシリーズ第4作。

   

予告編



作り手のコメント

前作「湿った指」が地方ロケだったので、今回は大都会でいこうじゃないか、というプロデューサーの鶴の一声で、東京・新宿を舞台にした作品となりました。新宿というのは割と思い入れが深い街で、そもそも私が生まれたのが新宿のとある病院、通っていた高校も都立新宿、さらに小中学校時代しびれていた「太陽にほえろ!」の設定上の舞台も新宿でした。しかもその「太陽〜」の中でも忘れられない名作のタイトルがずばり「新宿に朝は来るけれど」。ゲストは桃井かおりで、殺人犯人の彼女と刑事の松田優作(ジーパン)が、あてもなくふらふらと中央公園まで歩いていくうちに夜が明け、彼女は他の刑事に手錠をかけられ…、という何ともやるせない物語でした。このラストはいまだに強烈な記憶となっており、いつかは自分も、新宿のしらじらと明けていく朝の情景を、エンディングかくクライマックスのシーンで使ってみたい、と考えていたのでした。

西口の歩道橋や中央公園、京王プラザホテル、東口の紀伊国屋から歌舞伎町…、この作品での一番の収穫は、なじみ深い新宿のいろいろな場所でロケが出来たことでしょう。でも、やはり都会というのはおっかないところで、不動産屋の看板の前で無許可で撮影をしていたら、いかにもなアンチャンに呼び止められ、「ちょっとそこで何やってんの、誰に断ったの?」と出演者ともども雑居ビルにある事務所まで連れていかれたりしました(いやー、あれはホントビビった。やっぱ撮影は適正に許可を取らないとね)。 

ちなみにこの作品に出てきたような「添い寝」するだけのソフト風俗(?)は、当時はあまり存在しなかったようですが、その後、男性の草食化の流れの中で、いろいろなバリエーションが生まれてきているのかも知れません。

□企画〜完成までの詳細ドキュメント チョコチップ撮影記(旧サイト)

 ビデオ発売:2001年7月27日 エースデュース