ゲルショッカー結成の地・猿島へ
(「仮面ライダー」1972)

猿島

明治時代初期から敗戦までの約60年、大日本帝国海軍の要塞基地として太平洋の護りを固めた「猿島」(別名「ペリー島」)。戦後は一時米軍に接収され、さらに特撮マニアの間では1972年10月7日に、かのゲルショッカー結成式が取り行なわれたことでも有名だ(『仮面ライダー』第80話「ゲルショッカー出現!ライダー最後の日!」)。
いまなお語り継がれるゲルショッカー結成満33年を記念し、その前日である10月6日午後、ひとりの元祖仮面ライダーフリークが、東京湾上の無人島・猿島に潜入した!以下はそのレポートである。

これが切符売り場。三笠公園のそばにあり で、この船に乗って行きます

というのは嘘で、ホントはこれ 船内は貸切り状態

デッキで愛を語るカップルもなく 船は静かに港を離れ、しばし旅の気分に浸る…

なんて言う間もなく到着。所要時間わずか10分 船着き場のすぐ横が海水浴場



海岸を清掃する人のほかは誰の姿もなし。向こう岸は横須賀の街

というわけで、ついに猿島に記念すべき第一歩を記したのだが、2002年から横須賀市が島を「歴史公園」として整備し始めているらしく、33年前にテレビ画面で見た不気味な要塞島という雰囲気は、残念ながらほとんど消え去っていた(どうして現況のまま保存しようとしないのか。行政の見識の低さにはいつもながらげんなりである)。
そういう実情なので、以下あまり期待しないでご覧下さい(トホホ…)。

 ←こういうのがすでに「何か違う」でしょ


順路はすべて「木道」。土さえ踏ませないつもりか? 当然のごとく入口はすべて封鎖

ずっとこんな感じ。探検ゴコロも萎え果てます それと、看板多すぎ。ゴミよりこっちのが目障り(怒)



ようやく見つけた、画になるショット


このトンネル周辺だけは、何とか被写体になりますが でも反対から見ると柵が超ウザイって感じ!!!


でもって、ついにゲルショッカー結成式が行なわれた展望台に到着。しかし、ここにもまた「観光化」の波が…


 ←第80話のワンシーン (C)石森プロ・東映

そして33年後の現在は…ジャーン!



こんなんなってました。
柵は作るわ芝生は植えるわ、スピーカーはおっ立てるわ…。あと、後ろの木、育ち過ぎだろ!(これは仕方ないけど)。



さらに寄ったのがこちら。ね、「捨てるな!」がサイテーでしょ。


展望台そのものは当時と変わらず 横須賀の街が一望できる

ここではかつてコブラ男とライダーも戦った(第8話) 展望台下の休憩所は光の具合がグッド


展望台を離れ、島の北端、日蓮洞窟と言われる古代の住居跡へ足をのばしてみる。


ここまで来ると、たしかに無人島ぽい風情も 洞窟内はかなり狭く、普通に立てない

太陽が西に傾き、船の出発時刻が迫る 帰りも貸切りみたいなもんでした


さらば!猿島よ!!

そんなこんなで、3時間近くの散策の末、日暮れにはふたたび横須賀の港に降り立っていたのですが、映画やテレビ、あるいは写真集なんかのロケ地を実際に観ていつも感じるのは、マジックの種を明かされた気分と言いますか、「え、こんなにせこいトコだったの?」という軽い失望であります。猿島の場合、たしかにだいぶ手が入ってしまいましたが、そういうことがなくても、映像や写真の中に映し出されるロケ地というのは実物より輝いている場合が多いように思います。だから、逆に言えば、ここまで俗化してしまった猿島でも、「作品」の中でならまだまだ神秘の要塞島に見せかけることは可能なのかも知れません。私自身がそのうちここでロケをするかは「?」ですが。
まあ、とりあえず関東地方在住の方なら余裕で日帰りできる東京湾唯一の無人島です。お手軽なトリップの場所として訪れてみてはいかがでしょうか(…って、何でしめくくりが旅行ガイド風なの??)。
(2005/10/31)

□猿島公式サイト

[作品データ]
仮面ライダー 第80話「ゲルショッカー出現!ライダー最後の日!」
放映日:1972年10月7日
放送局:NET(毎日放送)系 制作会社:東映
原作:石森章太郎 脚本:伊上 勝 監督:山田 稔 音楽:菊池俊輔
出演:藤岡 弘/千葉治郎/丹羽又三郎/沖わか子/中田喜子/ミミー/小林昭二

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