07 ピロリロリ〜ンの菌なのだ(7月)




諸君のみなさんコニャニャチワ。連日の猛暑&熱帯夜で、わしのおつむもタリラリラ〜ンなのだ(バカボンパパ風)。
今日カレンダーをめくってビックリ。昨日までまだ6月だったのね。やっと、これからが本当の夏なのね。一体梅雨はどこに消えたの?暦を無視したこの許しがたい暑さは、一体いつまで続くの?本当に首都圏周辺の天気はどうしちゃったの?これもみんなヒートアイランド現象のせいなの?頭はぼーっとして何ら前向きなことが考えられず、部屋に差し込む灼熱の太陽におののきつつ、本気で関東脱出を夢想する日々。というわけで、今月は、わしが長年胃の中で戦い続けてきたピロリロリ〜ンの菌の真実をお届けしますのだ。レレレのレーッと読むのだ(しつこい)。

3月のコラムで、胃潰瘍や慢性胃炎の原因になるヘリコバクター・ピロリという細菌のことについて書いたのをご記憶でしょうか。合わせて、ピロリ菌の除菌に効果があるという健康食品などをいくつかご紹介したのですが、その後、またもネットで、ギリシャ製のマスティックガムというのに優れたピロリ菌殺菌効果があるらしいと知り、先日注文し、早速食べ始めたのですが、それとほぼ時を同じくして、漢方薬を処方してもらっている東洋医学研究所の医師から、「ピロリ菌が実際にいるのかどうか、ちゃんと調べた方がいい」と言われました。私は抗生物質による治療は耐性菌を作り出すなど不具合もあるので、最初から受けるつもりはなく、検査だけするのも意味がないと思ってこれまで受けていなかったのでした。そもそも40代以上の日本男性の50パーセント以上が、胃の中に飼っているというピロリ菌。しかも、胃潰瘍や慢性胃炎の患者の胃の中からは実に80パーセントという高い確率で見つかっているといいます。10年以上の慢性胃炎のキャリアを持つ私の胃にいないなんていうことはまったく考えていなかったのです。
しかし、何ごとも確かめてみないで決めつけるのは公正な態度とは言えません。一応保険も利くということで、先月の初め、思い切って検査を受けることにしました。


 これがピロリ菌検査キット!


そして、先週結果を聞きに行ってびっくり。何と陰性だったのです。つまり、私の胃には、ピロリ菌は、いないとのこと。これは、ほとんど予測してなかった事態なので、正直腰が抜ける思いでした。じゃあ、これまで私が試してきたプロバイオティクス系ヨーグルトや、ライスパワーやフコイダンやマヌカハニーやマスティックガムは?? いもしないピロリ菌撃滅のために奮闘を重ねてきた私は、ありもしない大量破壊兵器を撃滅すべくイラクに戦争をふっかけたどっかのアホ大統領並に不見識だったことになります。

かくて、ピロリ菌との戦いは、ここに終結を宣言せざるを得なくなりました。しかし、慢性胃炎の症状は依然、なくなってはいないので、先にあげた機能性食品はこれからも、症状改善のため役立っていくのかも知れませんが…。それにしても、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」って奴ですね。ほっておくと胃がんにも発展する危険のあるシリアスな細菌(=ピロリ菌)に冒された哀れなわが胃袋…、と、少なからず悲劇の主人公を気取っていたところがあったので、何ともしまらない結末です。


 検査結果の報告書。(−)は陰性のことらしい


まあ、健康であるに越したことはないので、そういう細菌とかウイルスが体にいないのは喜ぶべきことなのですが、なにぶん目に見えないミクロの世界のお話しなので、「いる」と言われても、「いない」と言われてもリアルに感じられないのが残念なところです。ちなみに、細菌とウイルスの違いって、ご存知でしたか? ひとことで言うと、細菌は自分で細胞を持っているのに対し、ウイルスは細菌よりずっと小さく(電子顕微鏡でないと見えない)、自らは細胞を持っていないため、ほかの細胞に入り込まなければ生きていけないということです。細菌の場合は細胞を持っているので、抗生物質で細菌の細胞を攻撃することができます(ピロリ菌除菌もこの方法)。ところがウイルスには細胞がありませんから、ウイルスを攻撃しようとすると、ウイルスが入り込んでいる人間の細胞を壊してしまう恐れがあるとのこと。つまり、現代医学では細菌よりもウイルスの方がはるかに根絶が難しいらしく、それを押さえ込むには、結局は免疫力を高めるしかないらしいです(エイズやSARSはウイルスによるもの)。完全に余談ですが、1986〜7年に放送されていた特撮ドラマ「時空戦士スピルバン」の最終回で、スピルバンの父親ベン博士(演:水木一郎)が試験管を片手に、「これは、全人類を滅亡させることのできるウイルス菌だ!」などと絶叫してましたが、そんなものはこの世にはないってことですな(失笑)。まあ例えていうなら、ウナギ+イヌのウナギイヌが実在しないようなもんです。今月はバカボンネタが相当にしつこいですが、まあ、「♪41歳の春だから〜」ってことでご容赦を。
(2004/07/01)

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