その参 キリストは日本で死んだ?
      謎が謎呼ぶ2つの
十字架(青森・新郷村)



             


ここは、結構いろんなマスコミでイロモノ的に取り上げられているので、今さらという気もしたのですが、まあ、せっかく東北ミステリーツアーってことなので(誰が決めたの?)、ドシャ降りの雨の中、このホームページのネタのためにわざわざ行って来ましたよ。でも、結論から言うと、まる一日かけて行くところでは到底なかったような…。

たしかに、話としては面白いんですよ。あのゴルゴダの丘で十字架にかけられて死んだのは実はイエス・キリストの弟のイスキリ(ネーミングがやや安易では?)で、本物のキリストは数年がかりで海を渡って日本に上陸、「十来太郎大天空(とらいたろうだいてんくう)」と名前を変えてこの新郷村に移り住み、妻帯して子供も作って106歳で死んだという。そういう史実(?)を示す竹内古文書っていうのが昭和の初めに見つかって、それでここがキリストの終焉の地ということになったそうなのですが、もちろん専門家は問題にしていません。でも、この村ではそのキリスト伝説を中心に「歴史とロマンの里」として観光キャンペーンを行っているようです。キリストの墓のそばに建てられた伝承館でも、そのあたりの解説を懇切丁寧に、ビデオと展示で行っていましたし…。


雨にけむる伝承館。教会ではありません。 村長みずから「キリストの村」をアピール!


キリストの幼少期? 額の十字が不気味… いかがわしさがプンプン臭う竹内古文書


伝承館内部はちょっとした「不思議空間」 村に住む沢口家の子孫はキリストの末裔?


問題は、八戸駅からバス乗り継ぎで70分という便の悪さ。乗り換えの時も下手すると30〜40分待たされるし、しかもそのバスは1日に4〜5本しか走ってません(乗り損なうとえらい目に。私もやってしまいました)。おまけに、そのキリストの墓の近くには、飲食や休憩ができる施設がまったく何もありません。私はバスの乗り継ぎに失敗したあげく、仕方なくタクシーで11時くらいに到着したのですが、帰りのバスは15時半まで来ません。その間、4時間半もどうしろというのでしょう。キリスト&イスキリの墓にお参りして、伝承館の展示をどんなにじっくり見ても1時間が限界です。晴れていれば周囲を散策できたのですが、その日はあいにくのドシャ降り。これほど手持ち無沙汰だったことは最近ありません。思うに、車を持っていない人が来るべき場所ではないのでしょう。仕方がない、ヒッチハイクでもして八戸まで戻ろう、田舎の人は親切だから案外気楽に乗せてくれるかも知れない、などとと都合のいいことを考えつつ、雨の中、来た道を歩き出したのですが、歩いても歩いても、肝心の車がさっぱり通ってくれません。かくして私の計画はあっけなく水泡に帰しました。結局、1時間歩いてようやく出くわした食堂で遅い昼食を取り、そこからタクシーで戻るハメに…。キリスト墓にいらっしゃる方はなるべくマイカー、さもなくばバスの時間をよくよくご確認の上おでかけ下さい。話のタネ以上のものを期待するとがっかりします。多分…。
(2004/07/11)

行き方:JR八戸駅から南部バスで五戸線五戸駅まで行き、戸来線に乗り換えて「キリスト公園前」で下車


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