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百発百中の妙技?


今月は小ネタでいきます。
人間いろいろ特技はあるが、自分の場合、今のところ一番胸を張って人に言えるのは、ワインのコルク抜きである。100円ショップで売っているようなチャチなオープナーで、まず間違いなく、コルクの中心部を貫通させ、スムーズに開栓させる。まさに百発百中。
本当に百回も実験したのか、と突っ込まれそうだが、これは単純な統計で、自分はここ数年、週に2〜3本のペースでワインを飲んでいるから、月に10本は消費している計算になる。すると1年で120本。そして記憶をさかのぼると、少なくとも去年の正月以来、ワインを開ける時にトラブった覚えはないから、2006年1月〜2007年6月までに消費されたワイン180本は、すべて理想的な状態で開栓していたことになる。百発百中と言うのも、あながちオーバーではないというわけだ。まあ、ソムリエになるわけでもないから何の自慢にもならないが、ワインの瓶の中にコルクの破片が入ったりすると、美味しく飲む妨げになるのは間違いないので、まあ、ある種の特技と言っていいだろう。
しかし残念なことに、このごろのいわゆるテーブルワインは、スクリューキャップ(ねじって開栓させるもの)が増えてきていて、うっかりそういうものを買ってしまうと、腕をふるうことができない。ずっとコルクだったものが、いきなりスクリューに変わったという商品を、最近続いて目にして軽いショックを受けた。ワインは、あのコルクを抜くという行為がひとつの儀式であるはずなのに、これはどうしたことだろう。


 左がスクリュー、右がコルクです、念のため


そういえば、以前は家庭やホームパーティーなどで、ワインを抜くのは苦手だからと、妻が夫にそれを頼むといった場面が少なからずあったように記憶しているが、このごろでは男女ともにシングルが増え、女性もひとりでワインをあけなくてはならない時代である。簡便なスクリューキャップが増えているのも、もしかするとそうした現実を反映しているのかも知れない(男でもコルク抜きが下手な人もいると思うので、まったく根拠はないが)。
かつて職人芸、名人芸と言われたものの大半が、合理化機械化の波にさらわれ消えていったが、ワインのコルク抜きなども、そのうち幻の特技になってしまうのかも知れない。

などと言いつつ、先日やっと「凍える鏡」が完成。まずはコルクを抜いて、ワインで乾杯しました。
(2007/07/01)

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