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麗わしき「消せない病」?


あ〜、どんどん空きがなくなる、と頭を抱えているのがハードディスクレコーダーの容量である。現在私のところでは、見たいテレビ番組はひとまずHDDに記録して、その後、長期保存するものだけDVDに焼くという方法を取っているのだが(え、今はほとんどの家庭がそうだ? こりゃまた失礼しました。それにしてもここ1年ちょっとで本当にVHSって急速に過去メディアになりましたねえ)、4月から始まった昼の帯ドラマ「麗わしき鬼」(略して「ウル鬼」!)というのを録画するようになって、急速にHDDの空きが少なくなっている。何故このような、いわゆるドロドロ系の「昼ドラ」を定期視聴しているかというと、私の新作「凍える鏡」(現在編集真っ最中)に出演してくれた増沢望さんと菊池隆則さんのお二人が、ヒロインの育ての父実の父という、大変キーになる役どころで出ているからなのだ(菊池さんはもう殺されてしまったが…)。


「凍える鏡」撮影中の増沢望さんと私。ここでも増沢さんはお医者さん役

「凍える鏡」の一場面。雰囲気がどこか「ウル鬼」チックなのは撮影が重なっていたため? 左は冨樫真さん


最初の数回は、見たら消すようにしていたのだが、思いがけず増沢さんの出番が多く、しかも毎回必ず何かやらかしてくれるので、どうも消すのが忍びなくなり、気がつけばひと月が経過。SPモードというそれなりの高画質で記録しているため、録画可能時間が残り10時間足らずとなってしまった。「タモリ倶楽部」など他の定期視聴番組のことを考えると、早急に「ウル鬼」の映像は大胆に消去してスペースを確保しなくてはならないのだが、「あー、この回は英矢(増沢さん)が浮気して子種がないってばれるんだよなあ」とか、「この日は富弓(川上麻衣子さん)が眉川家を出ていく重要な回だしなあ」とか「ついに腹違いの姉妹が運命の再会だ!」とか、とにかく気になるエピソードがてんこ盛りで、どの回も手放せないのである。こう考えてみると、帯ドラマっていうのも実に毎回、きちんと見せ場を作っているなあ、と改めて驚かされるというか、脚本家の努力がしのばれるというか。ちなみにこの「ウル鬼」を書いているのは「真珠夫人」で昼ドラ界に旋風を巻き起こした中島丈博氏。しかし、自分なんかの世代だと「祭りの準備」とか「赤ちょうちん」といった暗めの青春映画の脚本家というイメージが強く、ここまで割り切って、いわゆる「電気紙芝居」に徹したシナリオを書くようになるとは意外であった。まあ、そういう意味では大変なプロフェッショナルなのだが…(1935年生まれのおん年71歳。それであのドロドロ…。脱俗とは無縁のエネルギーには脱帽です)。
とにかくこういう、「さて次回はどうなる?」的展開はクセになるようだ。特に私は、この手のドラマにはほとんど免疫がなかったのでヤラれてしまったのかも知れないが。思うに、週に1度しか物語が進まない夜のドラマより、月曜から金曜まで連続して常に何かが起こり続ける昼の帯ドラマの方が、回ごとのインターバルが短い分、視聴者とドラマとの密着度も高く、それだけコアなファンを獲得しやすいのだろう。「ウル鬼」はホームページも充実していて、投稿ページやそれぞれのキャラクターの掘り下げ等、これだけでもかなり見ごたえがある。映画のサイトとは比べものにならないくらい更新がマメなのも盛り上がっている理由だろう(何だか「ウル鬼」の宣伝みたいになってしまった)。ついでに言うと、増沢さんはブログをやっているのだが、こちらも最近ドラマに負けないくらいのハイペースで更新されていて驚かされる。まさに「ウル鬼」パワーの渦に巻き込まれているといったところだろうか。
それにしても、撮った番組を消せない自分の性分には困ったものである。このままだと、「ウル鬼」はほぼコンプリートでDVDに焼いて保存、なんてことになってしまいそうだ。それだけのものを手元に残しても、改めて全部を見返すことは時間的にも難しいであろうのに。先ほど過去のメディアになったと書いたVHSテープについても、大した番組が録画されているわけではないのに、どうしてか一度録ってしまったものには変な愛着(執着)がわいて、捨てたり、消去したりが出来ないのだ。ちなみに、「物を捨てられない」「手元にあるものは何でも残しておきたい」というのはある種の強迫性障害らしいのだが、実際のところはどうなのだろう。この連休に、少しでもそのあたりの整理ができればと思ってはいるのだが…。

≫「麗わしき鬼」ホームページ
≫増沢望ブログ Mas-Nikki 〜ケログ〜

※余談ですが、今の増沢さんにしろ、TBSの「冗談じゃない!」に出ている田中圭くんにしろ、金鳥のCMでトヨエツと共演している冨樫真さんにしろ、自分の作品に出てくれた人たちがテレビに映っていると、やっぱり食い入るように見てしまいますよね。私自身、根がミーハーだからかも知れませんが、ちょっと誇らしく思えたりするものです。
(2007/05/01)

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