06 急がば回れというけれど(6月)


あまり忙しい忙しいと口癖のように言う人って好きじゃないなあ、忙しい(=世の中からいろいろとお呼びがかかっている、つまり売れっ子である)ことを自慢してるみたいでいやだなあ、とかねがね思っていたのだが、ここ数ヶ月、何か異様に忙しい。別に売れっ子になってるわけではまったくないのに、雑用というか何と言うか、こなさないといけないことが多すぎるのだ。あーーーーーーーーーーーーーーーって感じなのだ。
まあ、全部DVDの発売がらみなんですけどね。ここ数日は、DVDの検証版(メニューとかチャプターとか全部入った実際と限りなく同じチェック用)があがってきて、それの修正が何度かあったり、作品解説や年譜をあしらった封入物の入稿(デザインを仕上げて印刷所へ入れること)があったり、7月にやることになったイベントのチラシのデザインがあがって来たり、さらにまた別の簡易チラシを作って発送したり、このホームページの更新があったり、イベントに出てもらうかも知れない役者さんの芝居を見たり、と、自分でも何やってんのかわかんないくらい慌ただしい日々が続いている。こういう時は、うっかりミスをやったり、ちょっとした油断から事故を起こしたりということがありがちなので、要注意である。
特に最近、私の身の回りでも、馬から落ちて落馬した(重複表現、悪い日本語だ)ミセスやら、セクハラ上司ともめて駅の階段から転落して靭帯を切った女性やら、差し歯を飲み込んだ知り合いの母やら、一瞬のすきが大事に直結した例がやたら多い。特に落馬ミセスは、第五腰椎圧迫骨折だとかで即入院、絶対安静でトイレにも行けず、寝たきり状態だという。いやはや、本人の落ち込みようが目に浮かぶが、彼女とて、まさか家を出る時にはそんなことになろうとは夢にも思わなかったに違いない。
避けられる災難もあれば避けられない事故もある。尼崎の電車脱線など、JR側としては事故を予見して未然に防げたという見方もあるが、乗り合わせた側としては、電車は走る密室、まさに逃れようがなかったわけだ。しかし、こういう社会問題になる人災はともかく、たいていの事故や怪我は当人の不注意によるものの方が多いのではないか。そこで冒頭の「急がば回れ」だが、このごろ自分は出かける時いつもぎりぎりで、駅まで走らないことはない。でも、そういうことをしているとこけたり転んだりして事故につながるので、できれば余裕を持ちたい。そう思ってこの言葉を改めて見つめてみた。素直に現代語訳すると「急ぐのであれば、回りなさい」ということで、これでは何だかわからない。急いでいる時にグルグル回ってどうする? ちっとも前に進まないじゃないか!そこで、ことわざ辞典、引いてみましたよ、このクソ忙しいのに。そうしたら、「急ぐ時は危険な近道を通るよりも、遠くても安全な道を回る方が、結局は早く目的地に着く」と書いてある。なるほど、「回れ」ってのは回り道をしろってことだったのね。知ってました?(知らなかったのは私だけ??)
(2005/06/01)



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